パスキン、エコール・ド・パリのリベルタン
Author:宇都宮美術館
Hardcover:160pages
Size:23.0 X 29.6 x 2.6 cm
Language:Japanese
Publisher:宇都宮美術館
issue:2018
ASIN: B08P9RY25X
Condition:○ – 若干の焼けあり
2008年に宇都宮美術館で行われた「パスキン エコール・ド・パリのリベルタン」展の図録です。
フォーヴィスム、キュビスムなど、20世紀初頭の前衛的な芸術運動をさまざまに経験し、しかしそれらを安物の借り着のようにあっさりと脱ぎ捨て、ヨーロッパ諸国、カリブ海諸国、アメリカ大陸など、絶えず放浪の旅を繰り返しながら、独自の世界を追い求めた孤高のユダヤ人画家「パスキン」(1885-1930)。
本名ユリウス・モルデカイ・ピンカス。「PINCAS」のつづり字を並べ替え、「PASCIN」と記したこの画家は、1885年、ブルガリアのヴィディンに生まれました。早熟の天才と謳われるように、弱冠19歳で挿絵画家としてミュンヘンの著名な雑誌社と専属契約を結び、画家として歩み始めました。
いつのときでもパスキンは、何かにとりつかれたように、寸暇を惜しんでデッサンをしていたと言われています。カフェに入れば、もみ消したマッチ棒などで、絵を描いていたと伝えられています。彼は女性を数多く描き、赤裸々な姿を軽いタッチで暴いていきました。ときにエロティックな欲望に任せた本能的な制作態度は、そのまま彼の生き方にも通じていました。が、人気の絶頂にあるさなかの1930年6月、彼は手首を切り、自らの命を絶ちました。
わずか45年間の生涯で残された作品群は、しかし膨大な数にのぼります。そのほとんどが、放埓な日常生活からインスピレーションを得た作品で、いわば彼の人生の断片といえるものです。
※画面でご覧の色と印刷物の色は異なることがあります。ご了承ください。