The Paperback Art 出展紹介 [2]
あるほなつき


あるほなつきは2015年から二人で一つの作品製作に取り組んでいる。
同じ方向を向いている同士ではなく、写真と絵を組み合わせているように、異質な物、対立する物が共存している作品である。
■歯車I
■歯車II
二人のるーつを遡ってみると、共通の経験や体験も多く存在していた。
小さい頃に熱烈に読んだ記憶としての芥川龍之介の文庫本『歯車』に改めて向き合った。
同じ経験や体験があったとしても、それぞれの解釈は異なっていたかもしれない。
→ あるほなつき
かみかけら工房


紙を切ったり折ったりして「しかけ絵本」を作っています。
現在は、模様を「しかけ絵本」にすることに取り組んでいます。
■かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話
〜『沼地のある森を抜けて』より〜
梨木香歩さん著作の小説、『沼地のある森を抜けて』に収録されている
サブパートの「かつて風に靡く白銀の草原があったシマの話」を抜き出して
ハードカバーのしかけ本に仕立てました。
物語の登場人物や物語を「唐草模様」に組み込んで切ったり折ったりしてしかけページを作りました。
「唐草模様」は植物の果てしなく増殖してゆく生命力を表した紋様です。
この物語の深いテーマと繋がっている感じがして唐草と物語を融合させたいと思いました。
しかけ部分に記載されてる短い文章はメインパートから選びました。
→ かみかけら工房
さらさちさ


描いたり、書いたりしています。
■『すみれの花の砂糖づけ』
大好きな詩集を布でくるみました。
しなやかに、ひとりで立っている少女、女性を感じられる詩集です。
そんな雰囲気が浮かぶよう、表紙の絵を描きました。
また、見返しは内に秘められた、いさましさをイメージして、選びました。
→ さらさちさ
佐藤りえ


造本作家
Miniature Book Competition 2017においてDistinguished Book Award受賞。
豆本から函入りの特装本まで、多様な手製本を手掛けています。
屋号は〈文藝豆本 ぽっぺん堂〉。
■『ニッポニア・ニッポン』
ちくま文庫の杉浦日向子作品の中から、幕末~明治初期の短編を収録した一冊を。
和と洋が交錯する感じを模索して、四ツ目綴じを応用した和綴じ本に改装しました。
全ページを足継ぎ、表紙は新聞紙をイメージした印刷用紙「タブロ」を使用。
民藝紙を挟んだ落水レース紙を見返しに、DMCのネオンカラー刺繍糸で綴じました。
→ 佐藤りえ
オグラチカコ


絵と文章を書いています。
千葉県で小さな本屋さんをやっていましたが、引っ越して現在は山に住んでいます。
■『銀の匙』 中勘助著
美しく深いこの本を一気に読むのは大変疲れます。
「読書の疲れを癒す」をテーマに作りました。
疲れたら物語の冒頭、主人公が小箱を開けたようにこの箱を開けて下さい。
草に包まれた本を取り出すと箱の底に妖精が、素朴な姿に癒されることでしょう。
草に包まれた本は持っているだけで優しい感触に癒されます。
疲れた時は本を閉じそっと頭を乗せて下さい。
草の枕となって心地よい眠りに誘ってくれるでしょう。ひと休みしたら読書再開です。
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