The Paperback Art 出展紹介 [1]
大田治子
■ 書を捨てよ、町へ出よう
本書は、平凡な毎日から抜け出すための指南書。
ヤクザ、ギャンブル、自殺…日常とは正反対の刺激的なコンテンツが満載です。
しかし、たとえ家を出て外の世界へ繰り出したとしても、「理想の人生」というものはどこまで行っても捕まえられない幻想なのかもしれないと感じました。
外の世界はあくまで幻想なので、カバー下のイラストはchatGPTを使用して実在しない風景を作成しています。
→ 大田治子
芥子川亜紀
詩人、創作諸々(布制作、写真、言葉等)
■ 蜘蛛の糸
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を題材に、天国の様子と、降ろされた蜘蛛の糸が、下界(地獄)の本文(文庫)に垂れ下がっている描写を制作しました。
蓮の葉を造りながら、まるでお釈迦様の手の平の様だなと思いました。
誰かが重大な事柄に直面していようと、天界では平穏な日常がつづくまでです。
出来うる限りのエゴを省き、誠実に生きるのみだと感じます。
生きていてもあの世でも。
→ 芥子川亜紀
えほん定食
絵と文をかき、手製本してえほんを作っています。
■ 新美南吉童話集
新美南吉の作品がもつ美しく素朴なイメージを、パステルカラー、小花柄の生地で表現しました。
金属製のプレートはリン青銅にエッチングの加工を施しています。
■ 文鳥・夢十夜・永日小品
マーブル模様は『夢十夜』から、自転車(プレート)は収録されている『自転車日記』から着想を得ています。
生地をマーブル模様に染める工程も楽しみました。
→ えほん定食
ギョーマンちめこ
おバカ本をつくってウン十年、手作り本のグループ展に長~いあいだ参加してきました。
モトヤさんとのおつきあいも10数年になります。
■ 世界でいちばん透きとおった物語
文庫本展はこんなに何度も誘っていただけると思っていなかったので最初の会に得意な(?)駄じゃれを使ってしまったらアトか続かず困っています。
でも手作り本は楽しい。
オグラチカコ
庭にクマが出ます。
そんなところで絵や文をかいています。
■ Carver’s Dozen レイモンド・カーヴァー傑作選
選んだ文庫は20代の頃に夢中で読んだ作家の短編集です。
30年ぶりに読み当時読んだ時とのあまりの印象の違いに驚きました。
懐かしい友を偶然街で見かけて声をかけたら違うひとのようだった。
こんな私の戸惑いを元に作った作品です。
表紙側に開けた窓に、いま私が作品から感じたものを表現した絵を入れました。
切りっぱなしの布でカバーを作り、カバーはあえて縫わずに糸がほつれる様にして30年の経過を表わしました。
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